プラネタリウムとテクノロジー



プラネタリウムというと、どことなくレトロな、そしてとっても安心できるような、そんな施設のようなイメージをもってしまいます。

しかしながら、CGが発達した世の中。星空もまた、テクノロジーの恩恵を受ける時代となってきたのは当然の成り行きでしょう。

科学技術の作り出す星空は確かに実際の星空とは違います。ただし、心に与える影響というと、時には科学技術が実際の存在を追い抜くこともある…

エンターテイメントとしてのプラネタリウムは、正にその典型でしょう。

想像力というまだまだ未知の側面が多い領域に科学技術が寄り添っているところが、なんとも刺激的です。

記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070723-00000920-san-soci

 プラネタリウムのリニューアルが各地で相次ぎ、新たなファンを獲得している。子供たちの天文学習のためという従来のイメージを先端のデジタル技術が一新。星空と映像を組み合わせたさまざまな演出で、若者たちの新たなデートスポットになる一方、中高年層の知的好奇心も刺激している。(田辺裕晶)

 ≪屋内で花火≫

 きらめく星空に、ドーンと花火が打ち上がる。夏の夜空を彩る風物詩だが…ここは屋内。東京・池袋のプラネタリウム「サンシャインスターライトドーム“満天”」の中だ。アロマオイルの香りと、ロマンチックな音楽が雰囲気を盛り上げる。大人向けに設定された夕方以降の番組は、客の6割以上がカップルだという。

 「星空を楽しむことで癒やされてほしい」と、運営するコニカミノルタプラネタリウムの広報担当、諏訪智子さん。デートコースに定着し、平成16年の開館以降、年間30万人前後を集客している。

 一方、「葛飾区郷土と天文の博物館」(東京)は3月、これまで人類が観測した全宇宙の天体データを映像化できる「デジタル・ユニバース」を国内初導入。リニューアル後は既に約3万5000人(6月末時点)が訪れている。現在放映中の「クイズ!太陽系大冒険」は、星の表面や土星の輪の中を飛び回るなど迫力満点だ。

 従来のプラネタリウムは地上から見上げた星空を平面的に映像化するだけだった。だがデジタル技術で立体的な映像をドームに映し出せるようになり、宇宙旅行や惑星散歩を体感したり、逆に身近な風景を星空の上に映し出すなど、表現の幅が大きく広がった。

 ≪人気再浮上≫

 バブル経済の崩壊や娯楽の多様化で、プラネタリウムは客足が鈍化した。都内では13年に渋谷の「五島プラネタリウム」、15年には「満天」の前身である「サンシャインプラネタリウム」が閉館に。自治体が経営する各地のプラネタリウムでも閉鎖する所が出た。

 そんなどん底を味わったプラネタリウムの“救世主”となったのがデジタル技術。プラネタリウム製造の国内最大手「五藤光学研究所」(東京)の明井英太郎さんによると、スペースシャトルの打ち上げなどに影響されて1980年代以降に開設されたプラネタリウムが、相次いで機材を更新し始めたという。

 「(80年代)当時の投影機械は時代遅れで、(来館者が求める)最新の宇宙映像を提供できません。遊園地など競合する余暇施設に対抗するためにも、デジタル化する館が増えています」

 かつてのプラネタリウムは子供とその両親、祖父母が客の主流で、「一生に3回行けばいい、といわれていました」(明井さん)。だが最新デジタル技術による演出と、子供時代に見たプラネタリウムとのギャップが大きなインパクトになり、癒やしを求める20〜30代の若者や、最新の宇宙研究を体感したい中高年層をリピーターとして取り込むことに成功した。

 ≪企画力課題≫

 表現の幅は広がったが、それに見合うだけの企画力を各館が持っているわけではない。

 そんななか、米国の著名研究者にインタビューするなど最先端の宇宙研究を独自に取材、番組化しているのが杉並区立科学館(東京)。物理指導担当係長の伊東昌市さんは「大人向けの番組作りを続けるには、職員に十分な知識が必要。でも短期間で集客実績を要求されたり、職員が数年で異動したりと、公営のプラネタリウムは専門家が育ちづらい環境にあります」と話す。デジタル化しても、製作会社から購入した番組を流すだけの館もあるようだ。

 伊東さんらは3年前からプラネタリウムの職員が最新の天文研究を学ぶワークショップを開催している。「星座の美しさだけでなく、旬の宇宙の話題を提供するのもプラネタリウムの役割です。『易しい=みんな喜ぶ』ではない。難しいけれど面白い番組作りをしなければ」。企画力を向上させるため、学術的取り組みの重要性を強調している。
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